今の時代だからこそ必要な東洋医学


現代の医療

20世紀は科学の発展に支えられて医学が進歩した時代でありました。今後も医学は発展していくでしょう。

しかし、日本の医療はかつてない危機に見舞われていると言われています。
病気に苦しむ人は多く、人々の健康への願いも大きくなっています。未だに原因が解明されていない病気や、新たに発見される病気もあるのが現状です。
発展している現代の医療でさえ、その願いに十分に応えられていない。

また、その背景には、高齢化に伴う医療スタッフの不足からくる医療費の増加や医療や交通の発達による健康意識の低下などが考えられています。
TVなどのメディアによる情報発信によって、健康意識は改善されてきてはいるものの、まだまだです。

そこで現代の医療に必要になるのは、今、話題になっているとも言える「東洋医学」が適しているのではないか、もっと普及させるべきではないか。

東洋医学について簡単に説明していきます。

東洋医学とは?

 まず、東洋医学は約2000年前に中国で発祥した、中国伝統医学が日本を含む東アジアに伝わり、それぞれの地域で発展したものをいいます。
東洋医学の五行説
東洋医学には、
・中国の中国伝統医学
・韓国の韓医学
・インドのアーユルベーダ
・チベットのチベット医学
・パキスタンのユナニ
など様々なものが存在します。
基となった中国伝統医学(現、中医学)は「証」という概念で治療方針を決めます。
証とは、西洋医学で言えば病名になります。西洋医学では検査結果の数値などに異常がみられなければ、病名もつかずに治療も定まりません。
その結果、症状に対してざっくりと効くと考えられている治療をすることや、気のせいであると解釈されることが多く、その症状に最適な治療が受けられるかはわかりません。

東洋医学では人それぞれを証に当てはめます。証を立てるといいます。症状が強く出ている人、弱く出ている人、症状が出ていない人を問わずに証に当てはめますので治療方法が見つからないことはありません。
それからの治療は、流派や技法により、さまざまです。それらは東洋医学の特徴であり、利点と言えるでしょう。今、現在も世界各国広い地域で使われているのは、実績があると同時に需要もあることを裏付けることができます。

日本の東洋医学といえば、「漢方医学」です。
日本の伝統医学といえる、漢方医学も、日本に昔から存在した和方(生姜などを使う中国伝統医学を基に、日本の生活習慣などを考えてできた医療)と融合し、日本独自の発展を遂げた医学です。
日本独自の発展を遂げた背景に鎖国がありました。日本で漢方薬と言われているものが、中華人民共和国では中薬、朝鮮半島では高麗薬として使われています。
鎖国によって漢方医学が独自の発展を遂げたほか、医薬品医療機器等法の関係から成分分析が進み、中国では処方されない組み合わせの日本式の漢方薬を中国から買い付けにくる現象も起きています。

長い歴史に裏付けされた東洋医学は、その年月により発展を繰り返し、世界のさまざまある伝統医学のなかでも、もっとも理論的な体系を整えています。
それに加えて、治療を目的とした治療医学であり、その理論や技術は、現代においても実用性を失っていません。

東洋医学の主な治療法

 現在、東洋医学の実用性が世界的に見直され、さまざまな現場で用いられるようになっています。

漢方薬
 漢方薬
天然由来のさまざまな生薬を組み合わせたものになります。
西洋薬は化学的に合成された成分からできていて素材的にも違いますが、その症状に対してもアプローチの仕方も変わってきます。西洋薬の多くは身体の特定の部位に働き、作用します。

一方、漢方薬は、局所から全身まで広く働き、本来身体がもっている自然治癒力を高めるように作用します。
例えば、かぜの症状だった場合、抗ウイルス薬を処方するにしてもたくさんのウイルスが存在し、原因のウイルスを特定しなければならないことがあります。
漢方では東洋医学同様にウイルスに作用させるのではなくて、ウイルスが入った身体自体に作用させ、自然治癒力を高め、ウイルスに対抗できる身体作りをします。

漢方薬は病院で処方してもらうこともできますが、一般用医薬品として薬局でも入手でき、一般用の漢方薬は、剤型も種類も病院で処方される漢方薬よりも豊富で、とても身近なものになっています。

鍼(はり)

体中にあるツボに鍼で刺激を与え、気や血の流れを改善する手技。
直径0.1ミリからの極めて細い鍼で皮膚を浅く刺してツボを刺激します。
鍼で刺すので痛いと思われる方も多いですが、鍼の細さは髪の毛よりより細いもので、鍼には刺すものだけではなく、体に圧力をかける棒状のものや擦って刺激を与えるローラー状のものも多数存在します。

鍼(はり)
刺し方の方法としては、管鍼法が主におこなわれています。治療経験がある方はわかると思いますが、プラスチックまたは、金属の円形の筒 (鍼管)の中に鍼を入れ、その筒を身体にあててトントンと刺入していく方法です。鍼管を使わずに親指と人差し指でつまんで刺入する方法も一部では行われています。

鍼治療の効果はツボに刺した鍼が自律神経系、免疫系などに作用して緊張を緩和し血液やリンパ液の代謝を向上させることにより、自然治癒力を上げる働きがあると考えられています。また、鎮痛効果は古来より認められています。

その理由としては、
・鍼の刺激により脊椎で痛みを抑えるゲートコントロール作用が起こる。
・鍼刺激によって脳内に痛みを抑制するエンドルフィンが分泌される。
・鍼の刺激が末梢神経の痛みの信号を遮断する。
・ツボの刺激により痛覚閾値が上がるため、痛みを感じにくくなる。
・筋肉の緊張が緩むため血液の循環が改善される。

西洋医学でもこのようなことが解明されていますが、東洋医学的にも理由はありますが、科学的に解明できていない部分もあります。

他にも血流障害からくる肩こりなどの疾患には顕著に効果が見られますし、副作用が少ないことで、内臓疾患などにもアプローチできます。

灸(きゅう)

 灸(きゅう)
鍼と同様、体中にあるツボに刺激を与え、気や血の流れを正します。
ツボの上で小さく丸めたもぐさを乗せて火をつけ、熱でツボを刺激する。
「灸を据える」ということわざもあり、その意味が痛い目に合わせることから、「痛いのではないか」と思われがちですが、実際、温かくて気持ちの良いものが主流となっています。

それに加えてアロマなど香りを含ませたりするなど、リラックス効果を促すものも多数存在します。

また、漢方薬は薬が吸収されてから、効果があらわれるのに対し、鍼灸治療は体に直接治療を施すので、即効性が高いのも特徴のひとつとなっています。

 その他にも、
・按摩 押す、揉む、叩く、撫でるなどの手技を行います。
・養生 食事や日常生活を規則正しいものに改善すること。
・外科 生薬を融合した軟膏があり、やけどや皮膚疾患、痔などの治療に用いられている。
などがあります。

未病(みびょう)

 未病とは、病気にはなっていないが健康ではなく、病気に向かっている状態のことをいいます。これは東洋医学が最も得意とし、東洋医学でしか治療できない分野です。未病には3つのタイプが存在します。
・検査値には異常は見られないが、自覚症状がある。
・自覚症状はないが、検査値に異常がある。
・医学的に治療は終えたが、完治した気がしない。
これらはすべて未病になります。

どの未病も東洋医学で治すことが可能です。
病気になる前の未病の状態で治すことができれば、救われる人が少しでも増え、医療者側も、患者側も喜ばしいことです。

西洋医学と東洋医学はどこが違うのだろうか

西洋医学は体を構成する細胞や臓器に何らかの異常が起きたときに病気になると考え、さまざま検査をして病気の原因を追求し、その結果から病名を決定する。
しかし、検査の結果、検査値に異常が見当たらない場合もあります。その場合は、病気として見なされずに、気のせい、不定愁訴(何となく体調が悪いという自覚のこと)とされ、感じている体の不調は改善されないままになってしまうこともあります。

 東洋医学は西洋医学に対して、“個の医学”ともいわれ、体と心をひとつのものとして捉え、その人の体質や生活習慣、体内バランスの乱れが病気の原因と考えられています。
病気が引き起こすさまざまな体の反応に着目し、人の持つ自然治癒力を高めながら、心身のバランスを整える治療を行う。
病名にこだわらず、症状や全身の状態を統合的に診て、何らかの治療法を導き出すことができます。

例えば、成人型のアトピー性皮膚炎などでは、病院ではステロイドや鎮痒剤などが主流で敬遠する人もいます。
そういった悩みから患者様が調べて鍼灸が効くと知り、鍼灸院に来院する人は少なくありません。
治療を受けた結果、副作用もなく、効果もあり、それからは、定期的に通われる方を何人も見てきました。

病院では対応できない症状を訴えてくることは多く、鍼灸治療が適している部分もたくさん存在します。

その他にも、未病のところで書きましたが、
病気というほどの症状がなくても、疲れが取れにくい、風邪を引きやすいなど、体質的なものからくる気になる症状についても健康回復や体質改善を目指した治療や、免疫系にも作用することで病気になりづらい体作りもできます。
さらに、副作用がなく体に優しいというのも東洋医学の特徴になります。

東洋医学が必要な理由(まとめ)

 TVやインターネットなどのメディアのおかげで、東洋医学は普及しつつあるものの、まだまだ低いのが現状です。
それに、人々は病気になれば病院へ行き、医者にみってもらうという考えを持った人が多数です。
まず、その概念を変えていかなければならないのに加え、健康を今までより意識するべきだと思います。
そうすることによって、今まで病気になっていたものも必ずや減るに違いありません。

今回は、東洋医学の利点や特徴を主に述べてきました。
ですが、今現在において、西洋医学も必要不可欠です。医療者側も経営を考えるあまり、患者の奪い合いのような事が起きているのが現実です。
患者を第一に考え、お互いの不足点を補い合い、協力する。そういった医療システムを作ることもとても大事になってきます。

今の時代、時間に追われている人も少なくありません。時間がないお陰で自分のカラダを理解できていなかったり、把握できなかったりします。
健康診断を年一回受けているからと言って安心できるとも限りません。
東洋医学に特化した先生に診てもらうのもいいですが、私が一番お伝えしたいのが東洋医学的な考えをみんなが持つべきだということです。
風邪などの小さい病気から大きな病気に至る前に自分のカラダを把握し、そうなる前に健康に気を使う。未病の段階で治療し、治癒させる。

東洋医学的な考えが、今の時代だからこそ、私は必要だと思います。

AVA鍼灸整骨院 鍼灸師